九州大学総合研究博物館3Dデータコレクション

大学博物館の3Dデータを貸出します!

近年、3Dプリンタなどのデジタル工作技術の普及により、3Dデータから立体物を手軽に造形することが可能になってきました。また、さまざまな映像コンテンツでも、3Dデータの利用の機会が増えています。九州大学総合研究博物館では、2014年より、さまざまな所蔵品をスキャンした3Dデータを、主に3Dプリンタでの出力や立体映像での利用などを対象として、学外の企業・教育機関・研究機関・ミュージアム等に提供する取り組みを行っています。
 3Dデータの活用の機会が社会的に増えてきている中で、海外の博物館では3Dプリンタ用データのダウンロードを可能にしている事例も出て来ていますが、利用目的が非営利・個人利用等に制限されているケースがあります。このプロジェクトでは、総合研究博物館と有体物管理センターとの恊働によって、博物館による3Dデータのライセンシングの実証実験を行う事で、研究目的・商用利用も含め、より広範囲な立体データの社会的活用の可能性を探るものです。皆様のご利用申し込みをお待ちしております。

  • 事例:1.モチーフ
    旧工学部本館、車寄せ付近のコンドルのレリーフ。九州大学箱崎キャンパスの旧工学部本館は,1930(昭和5)年に九州帝国大学工学部本館として竣工。九州大学が誇る、歴史的価値の高い近代建築の一つです。

  • 2.スキャン
    3D スキャナでモチーフ全体をくまなくスキャンします。

  • 3.データ生成
    パソコンに取り込み、複数回に分けて撮影したデータを1つのデータに合成します。

  • 4.3Dプリント
    出力したいサイズに縮尺を変えプリントしました。素材は複数の色から選べます。

  • 完成事例1
    裏に磁石をつければ、カラフルな色のミュージアムグッズが出来上がりました。 ここでご紹介した事例以外にも、教育用レプリカの制作、ARアプリ、アニメーションなど、さまざまな活用が考えられます。

3Dデータの活用例

当館の3D データは、現在、非接触型の3Dスキャナを使ってデータを生成しています。様々な標本・資料の立体形状をデータにすることで、CG(コンピュータグラフィクス)での表示などにも活用できます。また、近年注目されているのは、3Dプリンタによる立体での印刷です。データを元にレプリカを出力することが、安価且つ高速に行えるようになりました。上に写真でご紹介しているのは、九州大学の建物についている鳥型装飾を元にミュージアムグッズを作った事例です。装飾を3Dスキャナで撮影し、3Dデータを生成しました。そして、3D プリンタを使って縮尺を変えてカラフルなプラスチックで印刷しました。裏に磁石をつければ、コンドルマグネットのミュージアムグッズの出来上がりです。このように、アイデア次第で様々な活用が可能になります。

大学博物館の取組み

九州大学総合研究博物館について

九州大学総合研究博物館は、九州大学の学内共同教育研究施設として2000年に設立されました。九州大学全学の標本資料を取り扱い、標本点数は750万点に上ります。市民に開かれた大学としての責任を果たす一つの窓口として、博物館のリソースを活かした様々な教育・研究プログラムの企画・提供を行っています。

九州大学有体物管理センターについて

有体物管理センターは、大学の研究活動の過程で得られた多くの研究材料・遺伝資源等の有体物を大学内外へ公開し、多くの研究者に活用していただくことで、大学内外の先端研究の促進に寄与する事を目的として、2010年に設立されました。同センターは、Webサイトを通じて適切な有体物移転契約に基づき、大学の財産でもある多くの貴重な有体物を、企業、研究者、研究機関等へ配布し、有体物を利用した多くの共同研究を推進しています。