「オオクビキレガイ (Rumina decollata)の情報を求めています」(2011.9.1)

 オオクビキレガイ(Rumina decollata)は、地中海沿岸を原産地とする外来の陸貝です。地中海沿岸から大西洋の島々、アメリカ大陸などへ人の手で渡り、アジアでは中国(上海、西安)と日本に分布しています。日本では1988年に北九州市で初めて確認されましたが、現在は北九州市から福岡市東区まで普通に見られるようになりました。西日本(福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、山口県、愛媛県)を中心に、近畿地方(兵庫県、大阪府、和歌山県)や関東地方(千葉県)まで分布が拡大しています。夜行性で夕方から朝方にかけて畑や花壇で活動し、昼間は敷きワラや板きれの下などに潜っていますが、雨後は昼間でもはい回ります。雑食性で、野菜(レタス)や花の苗を食べるほか、在来のマイマイ(カタツムリ)を食べます。カリフォルニア州の一部の郡では、ミカン園の有害なマイマイを退治する生物農薬として販売されていますが、専門家からは「効果が薄い」、「在来の陸貝を食べて生態系を乱す」と批判が多いようです。
 オオクビキレガイ類は原産地の地中海沿岸地域では、約1500万年前から生存しており、地域ごとに遺伝的な分化が見られます。一方、日本国内のオオクビキレガイは、九州から関東までミトコンドリアDNAの塩基配列に違いが見られず、地中海沿岸の標本と比較すると、イベリア半島のものに最も近いことが分かってきました。
 福岡県北部では畑や花壇で大量に発生しており、花や野菜に被害が出ています。どのような方法で分布を拡大していくのか、花や野菜の被害はどの程度か、必要ならどのような方法で駆除すればよいのかなどを検討するために、現在、分布の情報を集めています。目撃情報、写真、標本などを電話、メール、手紙でお寄せ下さい。皆様のご協力をお願いいたします。


連絡先 松隈明彦
812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
九州大学総合研究博物館
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