研究代表者:村上輝夫(九州大学大学院工学研究院 教授)   
研究分担者:村上敬宜(九州大学大学院工学研究院 教授)   
      廣川俊二(九州大学大学院工学研究院 教授)   
      高原 淳(九州大学有機化学基礎研究センター教授)
      澤江義則(九州大学大学院工学研究院 助教授)  
      中西義孝(元九州大学工学部助手,        

現大分大学工学部助教授)       
      中嶋和弘(九州大学大学院工学研究院 助手)   
      三浦裕正(九州大学医学部附属病院 助教授)   
      古谷野潔(九州大学歯学研究院 教授)      
      松下恭之(九州大学歯学研究院 助教授)     


本研究の目的

各種の生体材料(バイオマテリアル)が、人工臓器やインプラント材料として臨床に多用され機能回復に寄与しているが、一部では予想を上回る早期の破損や摩耗、緩み、機能低下や組織反応・血栓形成等の合併症も発生している。主因である人工材料と生体組織との力学的不適合性と生体との界面での異常な相互作用に着目して本研究を実施した。

◎生体材料・生体組織の双方についてバイオメカニクス(生体力学)に基づく諸現象の解明
◎人工系と生体系の両面からの学際的・連携的共同研究(情報ネットワークの構築を含む)



生体組織の物性計測と適応機構の解明

骨・歯の硬組織
・高分解能のマイクロX線CTや超微小硬度計による骨梁構造や異方性・不均質性の把握,力学環境との関連の評価。

軟組織
・靭帯のひずみ挙動の理論解析と二軸引張り試験による線維の異方性に起因するひずみ挙動の評価。
・関節軟骨の潤滑機能に対する表面層の役割の明確化と摩擦の継続に伴う表層の構造と物性の変化の原子間力顕微鏡による追跡。
・家兎関節部を対象にして、保護的潤滑膜形成機構の有無と機械的刺激の強さと骨の応答の明示。

生体の適応機構の解明
・ラット尾椎における力学的刺激に対する骨形成適応現象の把握。
・破骨細胞による骨吸収に対する力学的刺激の影響の明確化



情報ネットワークの構築と生体材料・人工臓器の最適設計

当研究組織グループ内での情報交換やデータの相互利用のために,本研究課題のホームページを開設。
(http://tribo1.mech.kyushu-u.ac.jp/lyceumP&P/)

本研究の概要を公開。
異分野での技術情報・データの授受。
ネットワークを利用した応力解析や,生体材料・人工臓器・インプラントの最適設計。

Click here to read the abstract.(in English)

研究課題:生体材料・生体組織のバイオメカニクスに関する連携的研究
研究組織:工学部・医学部・歯学部
審査部門:生命科学  採択年度:H10-H11  種目:B  代表者:村上 輝夫(工学研究院 知能機械システム部門 教授)