学外施設をお借りして行っている総合研究博物館の公開展示も今年で15回目を迎えました。今年度の公開展示では、芸術工学研究院との協力により「ふくおかをしあわせにするデザイン」をお届けいたします。

近年、総合研究博物館にとってデザインは大変重要な要素になっています。博物館の取り組みをご紹介する様々な活動において、芸術工学研究院との共同企画も盛んに行われています。デザインが博物館の活動と融合することによって、標本資料や教育・研究の情報を、新しい技術や表現で整理し、広くみなさまに伝えることが可能となり、これまでにない資料の活用が可能になっています。

今回の展示では、新しい技術と社会との関係を創り出すデザインを行っている、芸術工学研究院の成果を特集します。展示される作品は、どれも芸術工学研究院の「今」を伝える新しい取り組みで、扱うデザインの領域も多岐にわたりますが、一貫して、博物館の企画ならではの、体験を促す展示を目指しました。それぞれの作品を楽しく経験・鑑賞していいただきながら、その背後にある芸術工学研究院による高次のデザインについて理解を深めていただければ幸いです。

今回の展示は、総合研究博物館にとって新たなデザインミュージアムの取り組みでもあります。この展示によって、デザインの可能性を感じていただくとともに、ご来場いただいたみなさまの創造力を豊かにし、新しいふくおかと九州大学を創り出すきっかけになれば幸いです。

九州大学総合研究博物館長 吉田 茂二郎