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力が加わらないと骨が減る?
 年をとると骨の量が減り、骨折を起こしやすくなります。これを骨粗しょう症と言います。
 骨の両端は海綿骨とよばれるスポンジ状の骨が詰まっています。骨粗しょう症になると、これがスカスカになってしまいます。

 寝たきりになって骨に力が加わらないと、骨の減るスピードは速くなります。

 宇宙の無重力状態でも骨に力が加わりません。宇宙飛行士の骨はお年寄りの骨の約10倍のスピードで減ると言われています。


振動を加えて骨を増やす
 外から人工的に力を加えてやって、骨が減るのを防ぐことはできないでしょうか?
 
 骨粗しょう症を起こすネズミにさまざまな大きさや速さの振動を加えたところろ....
 ごく小さな振動を加えただけで骨の量が保たれ、骨粗しょう症を防ぐことができると分かりました。
 ネズミに毎日1時間の振動を加えて、3週間後に膝下の骨の断面を観察しました。
 振動がどのようにして骨に伝わるのか、どうして振動を加えると骨の量を保つことができるのか、骨に最も効果のある振動はどんなものなのか、現在、研究を進めています。

作成: 藏田耕作 九州大学大学院 工学研究院 機械工学部門

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