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再生医療のための生体組織の作製
 再生医療は、病気や事故などで体の一部に大きなダメージをうけた人のために、人工的に作製した細胞組織を用いて治療を行う新しい医療です。わたしたちは特に、細胞と材料を組み合わせて体の中の組織と似たような立体的な構造をもつ組織をつくるための研究を行っています。また、最近では万能細胞(iPS細胞)を体の細胞から人工的に生み出す技術が開発されたことから、細胞に遺伝子を入れたり、タンパク質で刺激することで、より効率よく万能細胞を生み出すための方法の開発や、万能細胞から体の中のいろいろな細胞へと変化させる研究も行っています。

立体的な組織をつくるためには、以下のことを行います。
1. 目的の細胞をとりだすこと
2. 目的の細胞を増やして、体の中に戻したときに機能する細胞に変化させること
3. 機能する細胞を立体的に積み重ねて、体の中の組織や臓器と似た組織をつくること

わたしたちは、以下3つのアプローチで研究を行っています。
1. 万能細胞(iPS細胞、ES細胞)をつくること
2. 細胞に遺伝子を入れることで、細胞
  の機能を高めたり、変化させたりすること
3. 酸化鉄のつぶと磁石を使って、立体的な
  組織をつくること(Mag-TE法)



磁力を使って人工筋肉をつくる
 筋肉は、筋細胞がつながった筋繊維が、さらに束となってできています。細胞から人工的に筋肉をつくるには、筋細胞をきれいに並べる必要があります。わたしたちの方法では、細胞に酸化鉄のつぶをくっつけて、磁石に引き寄せることで、積み重ねたり、並べたりすることによって人工筋肉をつくっています。



磁力を使って人工筋肉をつくるようす


作成:九州大学大学院 工学研究院 化学工学部門  
 上平正道・井藤 彰・河邉佳典 
   研究室HP:http://www.chem-eng.kyushu-u.ac.jp/lab3/

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