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X線撮影訓練ロボットの開発
 歯医者さんで使用される歯のX線撮影のための訓練ロボットを開発しています。
 歯のX線撮影は歯の治療のための大切な診断方法ですが、失敗画像の場合があるなど、技術を必要とするものなので、訓練によりその技術を修得する必要があります。
 これまでは、実際に歯医者さんで使用しているものと同じ機械を使って訓練していました。しかし,X線による安全性の問題や十分に訓練することができないなどの問題がありました。そこで、X線を用いないでコンピュータによりX線シミュレーション画像を再構成し、診断に適したX線画像撮影技術を修得するためのロボットを開発し、歯科学生の訓練のために使用しています。

歯のX線写真撮影装置

X線写真失敗画像の例

 実際のX線画像 開発したシミュレータによる画像

X線撮影訓練ロボット装置

本ロボット装置で得られた画像例

う歯(虫歯)自動切削の研究
 これまでう歯(虫歯)はほとんど切削によりう蝕部(虫歯の部分)を除去することで治療がおこなわれてきました。このとき、う蝕部の削り残しがあると治療後すぐに内部でう蝕が進行してしまう問題や、健康な部分まで削りすぎてしまう問題がありました。この研究では,歯医者さんが歯を削るときに使用しているドリルの振動(ブルブルとした震え)を調べて、今削っている部分が健康な歯の部分なのかう蝕部なのかをコンピュータによって調べ、それを削っている最中に歯医者さんに知らせることで、削り残しや削りすぎないための装置の開発をおこなっています。将来的には、ロボットにより自動的にう蝕部分のみをほとんど痛くなく削ることのできるものを目指しています。
う蝕部(虫歯)自動切削ロボット実験装置

切削バー(ドリル)により生じる振動を検出

歯に生じた振動の例
(健康部分と虫歯部分では振動が異なる)

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 作成:山本元司 九州大学工学研究院 機械工学部門

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