金鉱床はどうしてできる? −火山の活動と熱水系の発達− (1)


 火山が生まれてから、およそ50万年が経つと、マグマの熱により十分に温められた地下水が、大規模に循環し始めます。この熱水にマグマから分離した、金を含む熱水が加わり、地下の岩盤の割れ目を通って地表に湧き出します。その途中で、金は石英と共に割れ目に沈殿し、金を含んだ石英脈ができます。このような場所を金鉱床といいます。


 一方、地表では、湧き出した熱水により温泉や間欠泉ができます。温泉や間欠泉の周りでは、熱水に含まれるシリカ(ケイ酸:SiO2)が沈殿し、温泉沈殿物(シリカシンター)が形成されます。

 金鉱床ができて、さらに時間が経過すると、地表が風化・浸食を受け、含金石英脈が地表に現れます。石英脈が地表に現れていない場合、はボーリング調査により、金の品位や埋蔵量を調べ、経済的に開発が可能かどうか判断します。

パネル作成者:井沢英二、渡辺公一郎(地球環境システム工学部門応用地質学研究室)、中西哲也(総合研究博物館)

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