日本が世界に誇る金鉱床 −菱刈鉱床− (3)

鉱床中に存在する金の姿


 岩石に割れ目ができて、地下深部から熱水が上昇します。熱水から沈殿した鉱物が割れ目を埋めて鉱脈ができます。割れ目がくり返し開いては鉱物が沈殿することで、縞状の鉱脈ができます。

 菱刈金鉱床の鉱石には金が肉眼で見えるような超高品位の鉱石もありますが、一般には金は顕微鏡でやっと見える大きさで入っています。金は銀との合金(エレクトラム)として存在します。この鉱石を顕微鏡を用いて詳しく見てみると、石英中に金(エレクトラム)がまばらに存在していることがわかります。


 金が多い部分には、粘土鉱物(おもにスメクタイト)や氷長石(KAlSi3O8)など、アルミニウムを含む鉱物が多くみられます。


パネル作成者:本多美涼,井沢英二(地球資源システム工学部門応用地質学研究室)

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