社会性昆虫:アリ
オーストラリアの”原始的”な仲間たち:キバハリアリとアカツキアリ


アリ類は約10,000種から成り、すべて真社会性ですが、オーストラリアには原始的な形態や生態を示す固有の亜科が分布しています。2つの亜科は必ずしも初期に分化したものではありませんが、特異な位置を占めています。


キバハリアリ属−約100種

アカツキアリ属−1種のみ


キバハリアリの1種 Myrmecia gulosa の巣の中(Wilson, 1971より)


アリの亜科の系統樹と分布


AFR:熱帯アフリカ区,AUS:オーストラリア区,INA:インド-オーストラリア区,MAL:マダガスカル区,NEA:新北区,NEO:新熱帯区,PAL:旧北区





アリの社会構造や行動には多様なバリエーションが見られます。上の表に挙げた3つのアリ類は、社会行動の中でも原始的な特徴を多く持っています。


キバハリアリ属の種群の分布と系統関係


キバハリアリ類について系統分類を試みたところ、9つの種群に分けられ、その中でもaberrans 種群がもっとも初期に分化し、残りは大きく3つの系統に進化したことがわかりました。大部分の種はオーストラリア大陸の周縁部に生息し、一部は乾燥地帯に適応しています。


ポスター担当

緒方 一夫 (Kazuo OGATA)(熱帯農学研究センター・助教授)


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