ヤシの害虫ヤシオオオサゾウムシ
- 日本での再発見と分布の拡大 -


 ヤシオオオサゾウムシは、日本にはもともと分布していない熱帯性の種で、東南アジアではヤシの大害虫として恐れられています。1975年に沖縄で初めて発見されましたが、ヤシの木を切って、焼き払ったため大きな被害には至りませんでした。しかし、最近九州を中心に、国内各地で相次いで発見されています。これらは、海外から輸入したヤシの苗木とともに持ち込まれたものと考えられます。


ヤシオオオサゾウムシ


分布


日本での発生状況


被害地の様子

被害木


 本種は熱帯原産の昆虫ですが、低温に対する抵抗性(耐寒性)があることが分かり、今後、温暖化にともなう気温の上昇が進めば、国内のより広い地域にも分布を拡大でき、ヤシ類への被害も深刻になることが予想されます。とくに、関東以西の太平洋側では十分に生息可能で、要注意!


ポスター担当

小島 弘昭 (Hiroaki KOJIMA)(総合研究博物館・助手)

吉武 啓 (Hiraku YOSHITAKE)(生物資源環境科学府 昆虫学分野・院生)

政岡 適 (Kanau MASAOKA)(生物資源環境科学府 昆虫学分野・院生)


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