ゾウムシの系統進化
- 生物界最大の分類群 -


ゾウムシ類とは甲虫目ゾウムシ上科の総称で、これまでに世界から約6万種(日本から1300種)が知られ、実際には20万種はいるとも推定されている生物界最大の分類群です。



現在推定されているゾウムシ上科の系統関係


ゾウムシ類は中生代のジュラ紀に、ハムシやカミキリムシと共通の祖先から分化し、ゾウの鼻のように長い口吻を発達させながら進化してきました。




ゾウムシの系統と寄主植物との関係


起源の古いゾウムシ類は、主に針葉樹を利用し、高等ゾウムシ類になるにつれ、被子植物を主な寄主植物として利用しています。高等ゾウムシ類の化石は白亜紀以降から発見されるようになり、この頃から地球上の植物相も変化し、被子植物が優先的になってきます。よって、高等ゾウムシ類は被子植物が出現するよりわずかに早く出現し、被子植物との共進化により多様に分化したと考えられます。なかでも、ゾウムシ科は単子葉植物から双子葉植物にいたるまで、あらゆる被子植物のあらゆる器官を利用することによって、一つの科レベルの分類群としては生物界最大のグループにまで分化しました。



ポスター担当

小島 弘昭 (Hiroaki KOJIMA)(総合研究博物館・助手)


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