過去10万年間の気候変動 〜プランクトン群集を用いた古環境復元〜(2)
Climate changes during the last 100 kyrs deduced from plankton records.

セディメントトラップ
沈降粒子の捕集


ピストンコア
海底堆積物の採取


プランクトン4大群集


 過去の気候変動を推定する、ひとつの方法として、海底堆積物中のプランクトン群集(上図)を用いるものがあります。
 プランクトン化石を用いる理由としては、少ないサンプルで多くの個体数が得られること、また多様性が高く環境の変動に鋭敏に反応することなどが挙げられます。 ピストンコアで採取した堆積物中のプランクトン化石の群集組成の変動などから、過去の気候変動を推定します。
 また過去を知るためには、現在のプランクトンに関する詳しい情報が不可欠であり、そのためにセディメント・トラップを用いて、採取した沈降粒子試料から、プランクトンの季節変動や沈降、溶解の過程を明らかにする研究も行われています。

プランクトンの中で有孔虫(Foraminifer)は、その殻の酸素同位対比が氷期・間氷期の指標として、よく利用されます(右図)。



 これは酸素には16Oと18Oの2種類がありますが、軽い16Oは海水が氷になる際に取り込まれやすく、氷期には海水中の18Oが増え、その結果、海水中に生息する有孔虫の殻にも18Oの割合が増えることによります。


サンプリング地図(オホーツク海&ベーリング海)


パネル作成者: 高橋孝三、岡崎裕典、朝日博史、吉谷洋、松下貴誉加(九州大学理学研究院地球惑星科学部門)

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