地球磁気圏とは何か?
What is the Earth's magnetosphere?

太陽から風が吹いている

太陽風とは太陽表面から吹き出す、約10 nT(ナノテスラ)の磁場を伴った超音速のプラズマ(電荷を帯びた粒子)の流れです。地球の近くでのその速度は約300 km/秒にもなります。図1は地球と太陽の間を飛んでいる人工衛星SOHOから撮影された太陽風の画像です。

地球は磁場を持っている

 地球は磁場を持っており、まるで地球の中に1本の棒磁石があるような形をしています。地上で方位磁石を用いたとき、常にN極が北方向を指すのはこのためです。

地球磁気圏が形成される


 地球磁気圏とは、宇宙空間の中で地球が持つ磁場の勢力が届く領域です。地球には、もともと図2のような形の磁場がありますが、太陽系内においては太陽風が吹いているため、その影響から図3のように、太陽方向で潰れ、夜側に向かって引き延ばされた形をしています。このことは地球磁気圏の様々な現象を考える上で非常に重要な役割を果たしており、特に「オーロラ」などの現象はこれに深く関わっていると考えられています。

オーロラの嵐


 磁気圏と関連が深い現象の一つに「オーロラ」があります。オーロラは磁気圏内の電子が極域の電離層に降り込むことによって起こります。
図4は極方向を周回する人工衛星「Polar」から撮影された紫外線によるオーロラの連続画像です。オーロラの発光強度の強い部分(赤い部分)が爆発的に広がっていく様子が見て取れます。このような現象を「オーロラ嵐」と呼びます。これらは現在、太陽風と磁気圏の相互作用を通して理解されようとしています。


パネル作成者:山口類、榎木田曉子、上川佳、福山恵子 、原口健太郎、白木喜章(理学研究院地球惑星科学部門 宇宙地球電磁気学分野/太陽地球系物理学分野)

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