生命の起源と進化 - 化石を用いた進化の研究 -
Origin of Life and Evolution - Studies on Evolution Based on Fossils -

 進化は、個体変異に対して自然選択やランダムな選択が働き、集団の遺伝子組成が変化することです。古生物学では、化石を使って個体変異の現れ方や地質学的な時間スケールでの遺伝子組成の変化を調べます。

1.巻貝の殻の色の多型

 潮間帯の岩礁に住むタマキビ類には、殻の色や模様にさまざまな変異があります。

(Reid, 1996)


2.二枚貝の肋(ろく)の変異

 ヒヨクガイの肋には高い型(野性型、Q型)と低い型(突然変異型、R型)があります。それぞれの型はたくさんの個体について調べると、きれいなつりがね型になります。



ヒヨクガイの肋の2型 (Hayami, 1984)

3.自然選択

 ホリカワタマキビ(巻貝)には、殻の色が明るいものや暗いものがあります。1年間殻の色を調べていくと、次第に住んでいる場所の岩の色に似た個体が多くなります。


ホリカワタマキビの殻色と背景

4.変異の時間的推移

 鮮新世のヒヨクガイは肋が高いものばかりでした。更新世中期に肋の低い突然変異型が出現して、次第にその頻度が高くなって来ました。


肋の2型の時間的変化

パネル作成者: 松隈明彦(総合研究博物館)

【会場マップに戻る】 【もどる】 【すすむ】