大学博物館における実践的教育プログラムの開発と推進


 

大学博物館の特色

 コンテンツ(研究・資料)作成からそれに基づくアウトプット(学会発表や論文のみならず、企画の立案・実施・評価)までの一連
  のプロセスを業務としていること
 学内外の「大衆的利用者」が気軽にアクセス可能な「社会に開かれた」場であること


従って大学博物館では、このような特色を活かし、学芸員を目指す学生のみならず全学の幅広い分野・学年の学生が、学内外の「人・もの・こと」とのインタラクションを通じて、実社会で活躍する際に役立つ自主性・創造性を育めるよう実践的教育を実施していかねばならない。
 なお、文部科学省の指導のもと、2012年から学芸員養成カリキュラムは単位増加を伴う新カリキュラムに移行することが決まっており、他大学とも連携しながら早急に対処していく必要がある。


計画


1. 自主性と創造性を引き出す実習プログラムと教材の検討・試行

西南学院大学博物館・九州産業大学美術館と連携しながら、企画立案・実施・評価までを含む博物館業務を網羅し、履修学生の所属先の専門性にとらわれない複合的な作業を通し、スキル取得にとどまらない自主性・創造性を育てる実習プログラムを考案する。




各大学の目指すもの
 九州大学…「より善き知の探求と創造・展開の拠点として、人類と社会に真に貢献し得る研究活動を促進してゆく」ために学術
  憲章を定め、世界最高水準の研究教育拠点となる
 九州産業大学…「市民的自覚と中道精神の振興」及び「実践的な学風の確立」という建学理念のもと、「創造的能力を伸ばし、
  理論に偏ることなく応用技術を身につけた教育」
 西南学院大学…「キリスト教」を基盤とした独自の教育のもと、「奉仕の精神をもって社会に貢献する人材を送り続ける教育」

このように機能分化する3大学は、ミュージアム都市の中心である福岡に位置し、それぞれ美術館、博物館、総合研究博物館を有する。それぞれが「芸術系」「歴史系」「自然科学・人文科学系」という個性、特色ある分野を中心に、地域に開かれた生涯学習の知の拠点たる博物館活動を行っている。異なる個性・特色の大学博物館をもつ3大学が連携することで、広範な分野・方法を網羅することができ、学びの主体である学生が、多様なキャリアパスを想定し、それに適応し得る能力とスキルを伸ばすことが期待できる。


九州大学総合研究博物館(平成12 年4 月開館、収蔵・展示内容 学術研究標本資料)


九州産業大学美術館(平成14 年4 月開館、収蔵・展示内容 絵画・写真・デザイン・工芸作品)


西南学院大学博物館(平成18 年5 月開館、収蔵・展示内容 キリスト教文化・教育文化・地域文化歴史資料)




2.「産官学博民」パートナーシップの構築

博物館関連の産業界や行政、大学と博物館および地域が一体となって情報交流を促進させる場を設置し、人材育成プログラムの考案とその評価、およびキャリアパス制度に関する将来構想などについて提言を受ける。



  第1回セミナー「展示理論と実践〜学芸員と展示業者の対話〜」の様子


  第2回セミナー「最新LED展示照明の理論と実際〜根津美術館の試み〜」の様子


  福岡の博物館関連企業一覧


3. 学芸員カリキュラム検討委員会の準備

博物館法施行規則の改正に伴い、2012年から学芸員養成カリキュラムは、現行の8科目12単位から9科目19単位へ変更される。特に「博物館資料保存論」「博物館展示論」の科目が増設されることが決定している。九州大学では現在、文学部および理学部の2部局が開講部局となって学芸員資格関係科目の講義と実習を行っている。このために開講部局および新設科目と関連の深い部局から委員を出してカリキュラム改編への対応と、実質的な教育プログラムの内容について検討を開始した。今後はさらに、オムニバス形式の博物館関連選択科目や西南学院大学・九州産業大学との単位互換も視野に入れて検討していく。
 
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