■研究の目的と展開
|
|
平成12、13年度にP&P採択研究として、環境に環境に配慮したキャンパス計画を目指したデザインガイドラインの開発が実施されました。研究組織は竹下輝和を研究代表者とする19名で、各専門分野から設計指針と要素技術の提案が行われました。 本研究課題の終了後、人間環境学研究院竹下研究室では、環境にやさしい建築−グリーンビルディング-の社会的な普及を目指して、国内外の先進事例の実態調査、建築技術者の意識調査、デザインガイドラインの開発など様々な研究を展開しています。 今回の一般公開では、現在竹下研究室で実施している研究について紹介します。 |
|
■ グリーンビルディング の概念 |
|
Green Building の原則
|
Green Building の技術配慮項目 |
I 建築物のライフサイクル全般における消費の最小限化
II 環境負荷の最小限化 III 生態的環境の保全 IV 安全、快適、健康で質の高い建築空間 V 建築物の機能や性能等の建築目的との整合性 VI 環境性能とコストバランス |
1 徹底的なエネルギー効率の達成
2 水循環システムの確立 3 リサイクル、リユース、リデュースの徹底化 4 建築目的との整合性、敷地の環境条件の高度な分析 5 適正建築材料の採用 6 建築的価値の長寿命化 7 建設現場のエネルギー、水、ゴミの減量化 8 インドア・クオリティの保証 9 ビルディングの効率的かつ省力的メンテナンス 10 利用者への優しい配慮とアメニティの確保 11 解体の効率化と減量化 12 徹底的なライフサイクルコストの削減 13 地域社会の発展への関連性と可能性 |
Green Building 設計の特徴
|
|
建築のライフサイクル(設計→建設→運用→改修→廃棄)の全ての段階を見通した設計を行う. |
建築のライフサイクル(設計→建設→運用→改修→廃棄)の全ての段階を見通した設計を行う. |
|
|
■グリーンビルディング・デザインガイドラインの開発に向けて |
|
人間環境学研究院竹下研究室では、グリーンビルディングに関する4つの調査研究を展開しています。 | |
|
|
|
|
■1.建築設計事務所における環境配慮型設計の実態調査 |
|
九州圏の設計事務所238社を対象として、環境配慮型設計に対する意識と取り組みについてアンケート調査を実施し、2つの視点から分析しました。 | |
|
|
|
|
■2.アメリカ合衆国におけるグリーンビルディング普及のための取り組み |
|
アメリカ合衆国の地方自治体では、グリーンビルディングを広く普及させるために、グリーンビルディング・プログラムを体系的に整備しています。ニューヨーク州、カリフォルニア州を訪れ、GBプログラムについて調査を行いました。 | |
■3.グリーンビルディング技術評価システムの開発 | |
グリーンビルディングを建築設計実務に広く普及することを目指し、インターネットを活用した情報提供システムの開発に取り組んでいます。 | |
■4.公共建築物の再生利用に関する実態調査 |
|
これまでは、使われなくなった建築物は壊され、新しい建築物が建てられました。これからは、建築物を使いつづけることが求められます。建築物の用途を替えることによって、再生利用する試みを把握するため、九州圏の10万人未満の市町村に対してアンケート調査を実施しました。 | |
|
|
|
|
■再生利用の実施事例 アンケートの回答のあった332の市町村において88の再生利用事例が確認できました。 特に、過疎の町村では、廃校となった学校を再生利用する事例が多くなっています。学校の再生利用では、クラスルームと特別教室で備えている設備が異なります。そのため、再生前の空間特性を活かした適切な室内計画が必要となります。 ここで紹介する2つの事例では、クラスルームを計画の単位として、宿泊室や住戸として利用しています。 |
|
|
|
|
|
研究課題:九州大学新キャンパスにおける建築物のグリーンビルディング設計仕様書作成に関する研究 研究組織:人間環境学研究院・総合理工学研究院・工学研究院・環境システム科学研究センター 審査部門:理工科学 採択年度:H12 種目:B 代表者:竹下 輝和(人間環境学研究院 都市・建築学部門 教授) |