九州大学における九州の地下資源の研究史

石 炭

地 熱
関連する
できごと
            1911年 九州帝国大学工科大学発足、採鉱学科開設
1931年 永積純次郎著「採鉱学(全4巻)」が発刊される 1920年代 大串金鉱床(長崎県)についての研究 1940年 日本最初の学術調査用の地熱井を、静岡県加茂郡南中村で掘削する。これは、物理探査学講座の小田二三男と機械工学科山口修一によるものであった 1913年 イタリアのラルデレロにて世界で最初の地熱発電所が運転を開始(地下蒸気を利用)
1930-
40年代
山田 穣(後に九大学長)ほかが炭鉱ガス爆発の研究を行う 1930年代 テルルを含んだ金銀鉱床(鹿児島県)の鉱石を反射偏光を利用した顕微鏡で研究する    
1914-
18年
第一次世界大戦
1940年代 九州の炭田の生成過程の研究が進む(理学部)            
           
1939-
45年
第二次世界大戦
1940-
50年代
石炭を採掘するための削岩や穿孔の機械、坑内の通気、石炭の浮遊選別法などが研究される 1950年代 大口鉱床、南薩型鉱床(鹿児島県)や馬上鉱床、鯛生鉱床(大分県)の地質と鉱石を研究 1953年 九重火山の北西にある大岳地熱地域(大分県)で地熱開発の調査が始まる 1950年代 エネルギー革命により石炭から石油の転換が進む
1949年
生産科学研究所に鉱山部門が開設される

理学部に石炭地質学講座が開設される
1950年代 九州の金鉱床が生成した地質時代や金鉱床の生成の条件について研究が進む 1966年 生産科学研究所に九重地熱資源開発実験所開設 1953年 大学院鉱山工学専攻開設
1950-
60年代
炭塵爆発・ガス炭塵爆発に関する研究
高橋良平(後に九大学長)ほかが九州の石炭の顕微鏡的組織を研究、石炭利用に貢献(理学部)
1950年代 X線回折法を用いて金鉱床に伴う粘土鉱物を研究 1967年 日本で最初の地下熱水を利用した地熱発電所が大分県の大岳で運転を開始。岩手県の松川で地下蒸気を利用した地熱発電所が運転を開始した1年後である。九大グループは開発調査に貢献 1956年 イギリスで商業用の原子力発電所運転開始
1958年 山田 穣編「鉱山保安ハンドブック」の発刊 1960年 木下亀城ほか著「日本地方鉱床史、九州地方」が発刊される 1967年 九大を中心とする九州地熱研究グループが「地熱の探査と発電への成功の功績」で西日本文化賞を受賞する 1958年 ワイラケイ(ニュージーランド)で世界初の地下熱水を利用した地熱発電所が運転を開始する
1950-
70年代
石炭採掘による地表沈下・移動・陥没の研究および石炭を比重選別する方法を研究 1960年代 セレンを含んだ串木野鉱床(鹿児島県)の金銀鉱石の研究によって、ナウマン鉱(セレン銀鉱)が日本で最初に発見される 1970年 国際地熱研修コースが開設、2000年までに36ヶ国、380名の研修生がコースを修了 1963年 三池炭鉱(福岡県)で炭塵爆発事故が発生する
1960-
70年代
炭鉱ガスの突出、ガス抜き、石炭のガス化について研究が行われる         1970年 日本で最初の商業用の原子力発電所が運転を開始する
            1973年 第1次石油ショック
1970年代 坑内の熱環境(高温)を改善するための研究が進む 1970年代 金属鉱業事業団による南九州の金鉱床探査に協力 1970年代 地熱地帯の熱水変質に関する研究が行われる 1976年 採鉱学科から資源工学科へ名称変更
1970-
80年代
坑道や採掘切羽を安全に保ち、地圧をコントロールする研究が行われる  1981年 鹿児島県で金含有率が世界最高の菱刈金鉱床を発見 1974年 日本で初めての「地熱工学講座」が開設される 1979年 専攻の名称を資源工学専攻に変更
1980年代 石炭(輝炭)の反射率を測定して、石炭を含む地層が経験した過去の地熱の状態を解明する研究が行われる(理学部) 1980年代 菱刈金鉱床、南薩型金鉱床の成因についての研究が始まる 1974年 赤外映像を利用した放熱量評価法の開発 1979年 第2次石油ショック、イラン革命とソ連のアフガニスタン侵攻により金の国際価格が大暴騰する
1980-
90年代
石炭の自然発火や坑内火災についての研究が行われる 1980年代 X線マイクロアナライザーを用いて金鉱石のの鉱物の微少部分の分析が進む(理学部) 1980年 新しい地下探査法「流電電位法」の開発 1986年 チェルノブイリ原子力発電所の事故
1986-
2000
国際石炭資源開発利用研修コースが開設され15年間で17ヶ国、90名の研修生がコースを修了した 1990年代 放射化分析、ICP-MSを用いた金の超微量分析法の研究が行われる 1980年代 地熱生産井内の気液二相流に関する研究 1991年 湾岸戦争、ソ連崩壊、バブル経済の崩壊
1999年 九州大学にて「第2回日韓岩盤工学シンポジウム」を開催 1990年代 金鉱床生成環境と好熱微生物の研究(米国イエローストンなどへ海外学術調査) 1982年 地熱開発センター九重分室が開設される 1993年 大牟田市にて「炭鉱における安全と機械化に関する国連シンポジウム」が開催される
        1982年 「地熱開発総合ハンドブック」発刊(湯原浩三監修)
1990-
96年
雲仙火山噴火
        1980年代 シリカスケール付着について研究を開始する 1995年 九重火山噴火
        1988年 熊本市・別府市で国際地熱シンポジウム開催    
        1989年 九重火山で火山エネルギー利用の研究を開始    
        1990年代 中国東北部およびチベットの地熱資源に関する海外学術調査を行う    
        1995年 九重火山噴火観測に九大地熱研究グループ活躍    
               
1970年代-
 現在
石炭を選別に使用した廃水を浄化処理する研究は、種々の廃水の処理技術として発展している
1990年代-
 現在 
金鉱床、熱水系、マグマ活動の時空関係、生成環境に関する研究を行っている 1990年

新しい地熱流体探査法「流体流動電位法」開発

「重力による地熱貯留層モニタリング」の組織的研究開始

1998年 大学院重点化に伴い専攻の名称を地球資源システム工学専攻に変更、また資源工学科を他学科とともに地球環境工学科に統合
1980年代- 岩盤や地盤を掘進する技術、掘進機械についての研究、および坑内の環境や空気の流れの研究は、あらゆる地下施設の開発・維持に貢献している
1990年代-
 現在
フィッション・トラック法、熱ルミネッセンス法、Ar/Ar法による金鉱床と母岩の年代測定の研究を行っている 1993年 九重火山放出火山ガスの環境化学的研究開始 2000年 2000年世界地熱会議が別府市・盛岡市で開催される
    2001年 九州大学にて「金と熱水系」に関する国際シンポジウムを開催する 2000年 国際研修コース「地熱エネルギーと環境科学」が発足    
        2001年 工学研究院九重地熱・火山研究観測ステーションが開設される    


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