通気と地下空間の安全 (1)


 人が地下で安心して働くためには,通気が必要です。通気とは新鮮な空気を地表から地下に送り,有害物質を排除することです。

 左の図は実際の石炭鉱山の例です。上側の部分のみが地表につながり,他は全て地下にあります。坑道の総延長は300km以上あり,左下の部分は入口から8km以上離れています。

 全ての坑道に適正な量の空気を流すことが必要です。このために下のような通気図が作成されます。右側の図は左側の図の一部を拡大したもので,数字は坑道を流れる空気の量(立方メートル/分)です。


 地下,特に石炭鉱山では可燃性のガスが出ます。このガスは爆発し大災害となることがあります。石炭の粉も爆発することがあります。下の図は実際に石炭の粉が爆発したときの写真です。



 危険なのは爆発だけではありません。右の図のように,地下の行き止まりの空間では,通気が悪いと有害なガスがたまり,人が知らずに入ると気を失って倒れ,災害となることもあります。
パネル作成者:井上雅弘(地球資源システム工学部門資源開発工学研究室)


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