高温地熱:マグマ

 火山エネルギーの源であるマグマは、地表近くにおける究極の熱源であると言えます。火山エネルギーを利用するためには、そのための技術開発だけではなく、対象となる火山を深く知ることが不可欠です。私たちは将来を見据えた研究対象として、長い間九重火山の観測を続けています。


 九重火山は大分県南西部にあり、高いものは標高1700mを超える20以上のドーム状火山体からなる火山群です。そのほぼ中心部にある星生山の北東山腹に、九重硫黄山と呼ばれる非常に活発な噴気地域があります。


 私たちは、九重硫黄山の地震活動や噴気温度の変化を調べると共に、観測データをうまく説明できる数値モデルをコンピュータで作成し、地下での流体の流れの様子や圧力分布を推定しました。

 それらの結果から、九重火山下の冷却中のマグマから分離・上昇するマグマ性流体が、地表からしみこんできた水と混合して気液2相状態となり、噴気地域に達して噴気・温泉として流出する概念モデルを考えました。

パネル作成者:藤光康宏、西島 潤、江原幸雄(工学研究院地球資源システム工学部門)

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