活火山から熱をとる

 私たちは将来の火山エネルギー利用のための基礎研究も進めており、九重硫黄山はそのための実験フィールドとなっています。1991〜1994年には火山噴気で発電するための基礎実験として、九重硫黄山の噴気地域内で深さ27mの噴気井を掘り、得られた火山噴気の熱的、化学的性質の測定や、タービンや配管等に用いる材料の耐腐食性試験などを行いました。

 また、火山噴気発電実験のためのマイクロ地熱発電装置(1kW級)を試作し、1993年には九重硫黄山の麓、牧の戸温泉にある九重観光ホテルの協力を得て、同ホテル敷地内の噴気井で性能試験及び発電実験を行いました。


 なお実験場所となった九重観光ホテルでは、その後1998年に自家用の九重地熱発電所(出力500kW)が運転を開始しています。

この噴気井から230℃の火山噴気が取り出されました。



金属の腐食性が強い火山ガスですが、条件によっては通常の地熱発電で使われる蒸気と腐食性はあまり違わないことがわかりました。


中央やや右に見える1kw級マイクロ地熱発電装置で発電した電気により、実験者が持っている電球が輝いています。

パネル作成者:藤光康宏、西島 潤、江原幸雄(工学研究院地球資源システム工学部門)

【戻る】 【目次へ】 【進む】