遺伝子資源としてのカイコ (1)


日本とカイコ


 『世界には大小様々な国があり、それらの国々にはそれぞれの国に特有な農業生物が大抵1つや2つはあるものである。日本ではこれに該当するものとしてイネとカイコを挙げるのが妥当のように思われる。両者はわが国において建国以来の重要農業生物で、わが国の文化と密接な関係をもって現在に至っている。』(吉武成美:家蚕生化学より引用)



九州大学とカイコ


 九州大学におけるカイコの飼育は1921年の農学部創設以来の歴史を有しています。その当時は養蚕が日本の基幹産業で外貨獲得の大半が生糸輸出に頼っていた時代であり、養蚕振興が国策となっていました。九州大学では田中義麿教授の指導のもとカイコの遺伝学的研究が開始され、研究のため広く国の内外からカイコ突然変異体が九大に集められ、系統保存が始まりました.



農学部設立より現在に至るまでカイコの遺伝的特性が記録されている系統保存記録帳


卵色・幼虫斑紋・繭色・繭形の突然変異

九州大学には約450の系統が保存されています。ここにはその一部を紹介しました。



ポスター担当

藤井 博 (Hiroshi FUJII)(農学研究院 遺伝子資源開発研究センター・教授)

伴野 豊 (Yutaka BANNO)(農学研究院 遺伝子資源開発研究センター・助教授)


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