タンパク質の運命はアミノ酸配列が決めている

 タンパク質がどのように育てられ(修飾)るか、どこ(オルガネラ)で、どのような働き(代謝反応)をするか、いつ死ぬか(寿命)などについての情報の大部分は、タンパク質自身のアミノ酸配列の中に含まれています。
 アミノ酸のならび方は遺伝子により決められていますから、タンパク質の運命は生まれる前からプログラムされていると言えます。

タンパク質の細胞内移動
-
働き場所へ向けて-

 すべてのタンパク質はリボソーム上で合成されます。その後、タンパク質に組み込まれた「働き場所を示すアミノ酸配列」にしたがって、それぞれに決められたオルガネラに向けて細胞内を移動していきます。

本研究の目的

私たちのグループでは、タンパク質の適材適所配置を決めている情報(働き場所を示すアミノ酸配列)がどのようなもので、それを何がどのようにして解読して、どのような機構でタンパク質をそれぞれに決められたオルガネラに輸送し、そこで働きが出来る構造に組み立てているか、を知ることを目的としました。

 

解析法の例:ミトコンドリア行き情報は?

 

情報はタンパク質のどこにあるか?


遺伝子工学により、目的のタンパク質に中のいろいろな場部分を欠いたり、別のタンパク質と融合させた新しいタンパク質(変異タンパク質)を作り、それらがミトコンドリアに行くかどうかを調べる。

 

その中の大事なアミノ酸は?


次に、情報を持つ部分の特定のアミノ酸を他のアミノ酸に変えて(部位特異的変異タンパク質)同様に解析する。


研究課題:生体膜構築と局在蛋白質の分子機能解析
研究組織:理学部・医学部・薬学部・医学系研究科
審査部門:生命科学  採択年度:H9-H10  種目:B  代表者:伊藤 明夫(理学研究院 化学部門 教授)