海外への技術移転 (1)

 日本は使用する石炭のほとんどを海外からの輸入にたよっています。そのために,安定して石炭が供給されるように,努力しなければなりません。このため,今までに国内炭鉱で得られているすぐれた技術を発展途上国へ伝え,また,さらに技術を向上するために共同研究を行っています。

インドネシアへの技術移転

 インドネシアは我が国が3番目に多く石炭を輸入している国です。輸入する石炭の量は毎年増加しており,重要な輸入相手国です。


 現在は地表から石炭を掘っています(露天掘り)が,今後は地下に坑道を作って石炭を掘っていく坑内掘りに変わっていくと予測されています。この坑内掘りについての技術が十分でないために,技術者の育成が急がれています。

 現在,日本から技術者を派けんしたり,インドネシアから研修生を受け入れたりすることにより,石炭を掘る技術,安全を保つ技術などについて教育を行っています。また,石炭がどこに存在するか探査も行っています。

中国への技術移転

 中国は世界一の石炭生産国で,年間10億トン以上の石炭を生産・利用し,日本へも輸出しています。


 しかしながら,日本に比べて石炭に関する技術の開発が遅れていることから,炭鉱事故が多く,石炭を利用する時の公害発生も大きな問題となっています。

 我が国は中国に対し,石炭を探す技術,安全に掘る技術,公害を防止する技術,地球温暖化を防止する技術などの移転を行っています。

 技術移転は中国人技術者の日本での研修,日本人技術者の中国への派遣,中国でのモデル事業,ワークショップの開催等により実施しています。

パネル作成者:富田新二(JCOAL)、一ノ瀬政友(地球資源システム工学部門資源開発工学研究室)、島田英樹(地球資源システム工学部門岩盤・開発機械システム工学研究室)


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