海外への技術移転 (2)

ベトナムへの技術移転

 ベトナムでは,石炭産業は国の経済に占める割合の大きい重要な産業です。現在は露天掘りが主体ですが,露天掘りで掘ることのできる量はあまりなく,今後は坑内掘りが増えてくることになります。


 しかし,まだ石炭の埋蔵状況がよく分かっていないので,探査を行う必要があります。また,石炭を坑内掘りで採掘すると,水の処理(排水)・石炭が自分で燃え出す自然発火・メタンガスの爆発などの問題が起こる可能性がありますが,ベトナムではこのようなことに関する十分な技術がありません。

 さらに,現在1人あたりが掘ることのできる石炭の量は非常に少ない状態です。また,最近では石炭の採掘による環境破壊も問題になっています。


 そこで,石炭技術についての協力や人材の育成を行って,ベトナムの石炭産業が発展するよう手助けをしています。

オーストラリアとの共同研究

 現在よりもさらに石炭技術を向上させるために,我が国が最も石炭を輸入しているオーストラリアの研究所と共同で研究を行っています。具体的には,石炭を今よりも速い速度で掘るための技術,石炭を掘ることにより発生する爆発性のメタンガスを取り除くための技術,地下に掘った坑道がつぶれないように支えるための技術などについて,共同で研究を行っています。


パネル作成者:富田新二(JCOAL)、一ノ瀬政友(地球資源システム工学部門資源開発工学研究室)、島田英樹(地球環境システム工学部門岩盤・開発機械システム工学研究室)


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