地熱資源利用の将来像

 もっと地熱資源を活用するために、将来に向けて研究されている方法のいくつかを紹介します。

高温岩体発電

 地温が高くても蒸気や熱水が得られない地点において、地下に人工的に循環系を作成して地表より注入した水を高温の熱水あるいは蒸気として取り出して発電するものです。

 現在アメリカ、ヨーロッパ共同体、オーストラリア、日本において研究されています。

堀 他(1997)高温岩体発電の実用化を目指して−技術開発の現状と課題−、電力中央研究所委員会報告 U97801 に加筆。

火山発電

 私たちが基礎実験を行った火山噴気発電の他に、もっと高温の熱源を利用する方法としてマグマ発電の研究がアメリカ合衆国などで行われています。

 しかし、実用化には解決しなければならない問題が数多く残っています。


盛田耕二(1993)坑井内同軸熱交換器方式による地熱エネルギー抽出に関する研究(九州大学学位論文)より引用。


地中熱利用ヒートポンプ(GeoHP)システム

 地下水や地層などを温熱源や冷熱源と考え、ヒートポンプで地中から熱を取り出して暖房などに利用したり、逆に建物内の熱を地中に捨てて冷房などに利用する、低温地熱エネルギーを活用するシステムです。


高杉真司(2001)地中熱利用ヒートポンプ協会の設立、地熱エネルギー(財団法人新エネルギー財団)26巻1号、55-58 に加筆。

パネル作成者:藤光康宏(工学研究院地球資源システム工学部門)


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