■狩猟採集から農耕へ■

 縄文時代から弥生時代への移行は、狩猟採集のくらしから、稲作農耕を中心としたくらしへと変化することでもあった。そして、それにともなって、ライフ・スタイルも大きく変化した。


 たとえば、縄文人は筋肉が発達しており、その結果骨に筋肉が付く部分が発達しているが、弥生人ではそれほど発達していない。農耕社会になって運動量が低下したことの結果であろう。
 また、年齢とともに歯がすり減っていくスピードも大きな差がある。繊維質の多い食物を常食していた縄文人は、歯がすり減るのが早く、コメを中心とした食生活の弥生人は、むしろ近現代人に近い減り方である。


 ライフ・スタイルの変化は、人骨のこのような部分にもあらわれている。


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